割烹旅館 天地閣 | 福島県いわき市小名浜

いよいよお別れの時です。
「またすぐ遊びに来るから。」
ちょっとその辺にお散歩に行くような錯覚で見送りました。

最後の方が退館されて、空っぽになったお部屋に入るとさびしくて、さびしくて胸がいっぱいになってきました。

「これ、おみやげ！」と言って、お散歩の途中でお花を摘んで持ってきてくれたＫさん。
お陰で当館のいたるところが、お花であふれていました。

お食事が済むと、みんなの食器を調理場まで下げてくれたＴさん。
「今日は女将さん一人で大変だと思って！」って。
本当に助かりました。

人手が足りなくて困っている時、さりげなく配膳を手伝ってくれたＫさん。
ありがとうございました。

「外出してきます！」「ただいま！」っていつも声を掛けてくれたIさん。
元気な声が、とってもうれしかったです。

「お食事がとってもおいしいから、広野のみんなに宣伝しておくよ。」とＦさん。
思い出すときりがありません

お互い初めての経験で、当初私たちはどのように接していいのか戸惑っていましたし、みなさんも今までの体育館での避難生活と異なり、私たちと同じ感覚だったように思います。

それでも「おはようございます！」「行ってきます！」「お帰りなさい！」「おやすみなさい。」こんな会話が、日頃家族と交わすそれと変わりない気づき、それからは自然に家族のような間柄になって行きました。
困っているときは助け合い、うれしいときは喜び合い、一緒に泣いたこともありました。

復興花火もみんなで見ました。バーベキューや七夕飾り、お月見やお料理教室、芋煮会もみんなで楽しみました。
振り返るとこの６ヶ月の間、長かったような一瞬だったような、それでもみなさんと作ったたくさんの思い出が、私の一生の宝となりました。

応援食材やご支援くださいました多くのみなさまに厚くお礼申し上げます。
ありがとうございました！

小名浜放射線量測定値（いわき市災害対策本部）単位：μSv/ｈ
　１０月３０日（日）AM１０：００　小名浜支所
　　小名浜支所　地上１ｍ　　０．１０
　　　　　　　　　 　地上１ｃｍ　０．１３
基準値内です。